moving average(移動平均線)って何?MT4・MT5にあるインジケーターその意味と使い方をざっくり解説

この記事はMT4・MT5にある、FXテクニカル分析で役に立つインジケーターやオブジェクトなどを紹介していくシリーズです。

チャートをより分かりやすく把握・予想するためのインジケーター。

そのインジケーターを初心者の方でも分かりやすくざっくり解説していきます。

最初から難しいものを読んでもやる気が出ませんからね。

インジケーターはいくつもありますので自分のトレードに合う最良のインジケーターを見つけてください。

今回はテクニカル指標、トレンド系の「moving average」。

日本語だと移動平均とか移動平均線とか言います。

XMTradingに関するサイトですので、用語や画像などMT4・MT5のプラットフォームを利用しております。

Meta Traderの公式サイトでは英語で分かりづらい部分も日本語で表記しております。

また数値やデザインなどを修正したい方向けにMT4・MT5の設定変更方法も最後に記載しておりますので参考にしてみてください。

移動平均をざっくり解説

xm_03.png

画像だと緑の線が移動平均(線)になります。

ちなみにこれは単純移動平均線(SMA)になります(後述)。

ざっくり説明すると移動平均線は現在を含む過去数日、または数十日、またはそれ以上の平均を取り、平均の点を出したものを線で結んだものになります。

この線より現在の足が上にあるものは過去の平均より高く推移している上昇トレンドになり、逆に現在の足が移動平均線より下にあるものは過去の平均より低く推移している下降トレンド、ウジウジと移動平均線の周りをうろうろしている場合はどっちとも考えることが難しい停滞した相場と捉えることができます。

他に最も多く使われている使用方法としては、転換タイミングとしても移動平均線は大いに活躍します。

移動平均線はFXの基本中の基本となる線です。

これを応用したインジケーターはいくつもあります。

すごく大まかに現在の相場の状況や推移を予想することが出来ますし、第一に視覚的に非常に見やすいのです。

“Simple is the best”とは正にこのことですが、これだけで勝てるほどFXは甘くはないですよね。。。

移動平均線は非常に汎用的です、様々なインジケーターと組み合わせることで効果がより出てくるでしょう。

移動平均線には主に4種類あり、算出方法が異なりますので、それぞれ線の描写も若干異なります。

MT4・MT5では設定内でこの4つを変更可能です(初期設定ではsimpleつまり単純移動平均線に設定されています)。

移動平均線全4種類をざっくり解説

SMA 単純移動平均線(simple)

最もシンプルな移動平均線です。対象となる期間の値を平等に足して割った値です。

過去の同じタイミングでどのように値が推移したかを見ることが出来ます。

EMA 指数移動平均(exponential)

最も多くのトレーダーが使用しているであろう移動平均線です。

EMAとはざっくり説明すると直近の値に重きを置いた移動平均です。単純移動平均より直近の値に影響を受けている線と言えます。

このあとの実践編で詳しく書きますが、このEMAがチャートでものすごい影響を与えています。

SMMA 平滑移動平均(smoothed)

EMAの改良版と捉えてかまわないと思います。EMAより緩やかな動きをするのが特徴です。

LWMA 線形加重移動平均(linear weighted)

直近の値に最大の割合をかけて対象期間の最後に向かってどんどん割合を落としたもの足して割ったようなモノです(例:直近に5倍、その前に4倍、3倍、、、)。EMAに比べて過去にも一定の流れで割合を振っているので、EMAより過去の影響を受けた値になっています。

どの線を使うのも自由ですが、移動平均線は基本的に複数表示しておく方がよいと思われます。

何で分けるかと言うと平均を取る期間です。

実践編(100EMA・200EMAでの抵抗と転換)

ここでは個人的に最も利用している100日EMAと200EMAを利用した方法を解説します。

画像では1時間足のチャートに100日と200日で2本のEMAで引いています。

もっとチャートの足にくっついてカクカクしているのが平均線と思っている方もいるかもしれません。

それは平均線を取る日数が短い場合であり、200日とかになると足にべったりくっつくことはほとんどありません。

では100EMA、200EMAはどう利用していくのか?

画像を見ますと200EMAでチャートの値動きが反発しています。

100EMAでも200EMAほどではないですが、反発している場面が見れます。

このように200EMAはトレンドの転換点として壁になりやすく、注文や決済のタイミングとして大いに活躍します。

200EMAで考察できるのは以下のような点です。

  • 大きな時間足ほど100EMAや200EMAは転換として機能しやすい
  • 一度反応した時間足の平均線はその後も参照されやすい
  • 上記の状況にも関わず、逆に突き抜けた場合はより強いトレンドとして継続する可能性が高い
  • 100EMAと200EMAのゴールデンクロス・デッドクロスでのシグナル

今回は1時間足で参照していますが、どの時間足でも機能はします。

しかし、基本的には1時間や4時間、日足などの大きな時間足ほど転換として機能しやすいです(時間足が大きいほど足が200EMAに触れるタイミングも少ない)。

必ず転換として反応するわけではなく、傾向として過去に反応した時間足の200EMAで反応しやすいです。

例:1時間足の200EMAが反応した場合、今後も1時間足の200EMAがチャートで機能する可能性がある

逆にそれらを無視して200EMAを突き抜けると、より強いトレンドラインとして今後も継続していく可能性があります。

また、100EMAと200EMAの線が交錯、クロスする場合(デッドクロスまたはゴールデンクロス)は、注文タイミングとしても活躍します。

基本的には上昇トレンドの場合は100EMAより200EMAが下に描写されています(期間が大きいほうが動きが鈍いため)。

下降トレンドの場合は100EMAより200EMAが上に描写されています。

100EMAと200EMAがクロスする場合、トレンドの転換を示すことが多いため、ここでの買い注文や売り注文としてのシグナルとして機能しやすいです。

最後に大事なこととして、必ず200EMAで反応するわけではないですし、EMAより上で、または一回突き抜けたうえで反発することもあります。

当然ですが、経済指標などの価格変動が激しいタイミングでは、こういったテクニカル分析は無視して値動きすることも多々あります。

また200EMAではなく、他の期間での移動平均線が反応する場合も当然あります。

様々な例外はありますが、チャートの状況を把握するうえで抵抗線描写と同じくらいに個人的には重要だと思って使ってます。

平均線はシンプルで見やすいのも便利ですしね。

サブウィンドウに移動平均線を表示させる方法

移動平均線だけではありませんが、オシレーターなどのサブウィンドウに表示されるインジケーター(チャート下部に表示されたりするインジケーター)に移動平均線を加えることが可能です。

追加方法は、サブウィンドウにナビゲータ(MT4だとナビゲーター)からmoving averageを直接ドラッグアンドドロップします。

すると設定画面が表示されます。

サブウィンドウが表示されていない場合は、最下部の日時が表示されている線より下にインジケータをドロップさせましょう。

ここからはMT4とMT5で若干違いがあります。

①MT4の場合

[適用価格]を「First indicator’s data」または「Previous indicator’s data」に変更し[OK]をクリックします。

※「First indicator’s data」「Previous indicator’s data」については下部の「MT4・MT5設定方法」にて軽く触れています。

②MT5の場合
[OK]をクリック

これでサブウィンドウに移動平均線が表示されます。

MT5は適用価格に制限はありませんが、MT4には制限がありますので注意してください。

インディケータデータについて

後述するMT4・MT5の設定画面についてですが、「適用価格」というところがあります。

ここに、

MT4:始めのインディケータデータ、前のインディケータデータ

MT5:始めのインディケータのデータ、前のインディケータのデータ

というものがあります。

どの価格で移動平均線を作成していくかを設定できるのですが、文言だけでは初めて利用する方にはちょっと分かりづらいところになります。

これは画面上に表示させているインジケーターの値を参照するという意味になります。

一見文字通りなのですが、この機能の良いところはオシレーター系やボリューム系のインジケーターの値にも適用できるという点です。

例えばボリューム系の縦線の羅列の移動平均線を見たいと思ったら、そのインジケーターのサブウィンドウに移動平均線をナビゲータからドラッグアンドドロップしてきます。

そこで適用価格を「前のインディケータのデータ」にすれば、そのインジケーターの移動平均線が表示されます。

複数のインジケーターをサブウィンドウで重ねて表示させていて、最初に表示させたインジケーターの移動平均を描写したい場合は、「始めのインディケータのデータ」を選択することで可能です。

1つ前か、最初のインジケーターしか選ぶことは出来ませんが、必要に応じて重ねて描写させることが出来るかと思います。

計算に前のインディケータデータを参照できるインジケーターは他にもありますので使ってみてください。

分かりづらいかと思いましたので先に説明させていただきました。

移動平均線を複数表示させる方法・消し方

これは簡単で、同じことをもう一度行うことで表示が可能です。

MT5だとナビゲータ、MT4だとナビゲーターから「moving average」をダブルクリック、もしくは対象チャートにドラッグアンドドロップで追加ができます。

すでに表示している移動平均線と同じ設定だと表示されませんので、期間など変更したうえで表示しましょう。

移動平均線をどれかを消したい場合は、チャートで右クリックしてインディケータリスト(表示中のインディケータ)から削除ができます。

もしくはチャート上で対象の移動平均線を選んだ状態で右クリックから削除もできます。

MT4での設定方法

1.パラメーター

①期間:平均を出す期間を設定できます。一般的には5・25・75・200が利用されます。MT4の初期値は14です。

②表示移動:値を増やすと右に、減らすと(-10など)左に動きます。

③移動平均の種別:移動平均線の種類を設定できます(上記参照)。

  • simlpe→単純移動平均線(SMA)
  • exponential→平滑移動平均(EMA)
  • smoothed→平滑移動平均(SMMA)
  • linear weighted→線形加重移動平均(LWMA)

④適用価格:移動平均線をどの値で計算するか設定できます。

  • Close →足の終値で計算します
  • Open →足の始値で計算します。
  • High →足の最高値で計算します。
  • Low →足の最安値で計算します。
  • Median Price (HL/2) →足の最安値と最高値を足して割った値(÷2)で計算します。(中間価格)
  • Typical Price (HLC/3) →足の最安値と最高値と終値を足して割った(÷3)で計算します。(典型的価格)
  • Weighted Close (HLCC/4) →足の最安値と最高値と、終値を2倍した値を足して割った値(÷4)で計算します。(加重平均価格)
  • First indicator’s data (始めのインディケータデータ)→最初に表示したインジケーターの値で計算します。
  • Previous indicator’s data (前のインディケータデータ)→最後に表示したインジケーターの値で計算します。

⑤スタイル:線の色・種類・太さを設定できます。

2.レベル表示

全く同じ線を複数表示させることが出来ます。

線ごとに線の色・種類・太さ・場所(レベルをプラスマイナス変更し上下に動きます)を設定し追加することが可能です。

3.表示選択

線の表示を設定します。

※MT4・MT5は同じインジケーターを複数表示させることも可能です。

MT5での設定方法

1.パラメータ

①期間:平均を出す期間を設定できます。一般的には5・25・75・200が利用されます。MT5の初期値は10です。

②シフト:値を増やすと右に、減らすと(-10など)左に動きます。

③種別:移動平均線の種類を設定できます(上記参照)。

  • simlpe→単純移動平均線(SMA)
  • exponential→平滑移動平均(EMA)
  • smoothed→平滑移動平均(SMMA)
  • linear weighted→線形加重移動平均(LWMA)

④適用価格:移動平均線をどの値で計算するか設定できます。

  • Close →足の終値で計算します
  • Open →足の始値で計算します。
  • High →足の最高値で計算します。
  • Low →足の最安値で計算します。
  • Median Price (HL/2) →足の最安値と最高値を足して割った値(÷2)で計算します。(中間価格)
  • Typical Price (HLC/3) →足の最安値と最高値と終値を足して割った(÷3)で計算します。(典型的価格)
  • Weighted Close (HLCC/4) →足の最安値と最高値と、終値を2倍した値を足して割った値(÷4)で計算します。(加重平均価格)
  • 前のインディケータのデータ→最後に表示したインジケーターの値で計算します。
  • 始めのインディケータのデータ→最初に表示したインジケーターの値で計算します。

⑤スタイル:線の色・種類・太さを設定できます。

2.レベル

全く同じ線を複数表示させることが出来ます。

線ごとに線の色・種類・太さ・場所(レベルをプラスマイナス変更し上下に動きます)を設定し追加することが可能です。

3.表示選択

線の表示を設定します。

※MT4・MT5は同じインジケーターを複数表示させることも可能です。

参考(外部サイト)

Meta Trader公式サイトによる日本語解説ページはこちら(Meta Trader5サイト内)

https://www.metatrader5.com/ja/terminal/help/indicators/trend_indicators/ma

Meta Trader english official site explanation page(Meta Trader5)

https://www.metatrader5.com/en/terminal/help/indicators/trend_indicators/ma

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