フィボナッチエクスパンションって何?MT4・MT5にあるオブジェクトの使い方や設定を解説

XMTradingのMT4・MT5ではチャートをより分かりやすく把握・予想するためにオブジェクトと呼ばれる図形などの描写機能があります。
そのオブジェクトを初心者の方でも分かりやすく解説していきます。
最初から難しいものを読んでもやる気が出ませんからね。
オブジェクトはいくつもありますので自分のトレードに合う最良のオブジェクトを見つけてください。
今回は「フィボナッチエクスパンション」。
フィボナッチエクスパンションと呼ばれたり、フィボナッチ・エクスパンションと真ん中で区切る場合もあります。
XMTradingに関するサイトですので、用語や画像などMT4・MT5のプラットフォームを利用しております。
Meta Traderの公式サイトでは英語で分かりづらい部分も日本語で表記しております。
また数値やデザインなどを修正したい方向けにMT4・MT5の設定変更方法も最後に記載しておりますので参考にしてみてください。
目次
フィボナッチエクスパンションをざっくり解説
フィボナッチ数列という言葉は、中学校や高校の数学で、漸化式の参考として聞いたことがある方もいるかもしれません。
簡単に言えば左2つの数字の和、つまり足した数を次の数字に書いていく、ということを延々と繰り返していった数列です。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144 ・・・
この数列の値を1辺とした正方形を並べていくと有名な「黄金比(1:1.618)」と呼ばれる美しい比率が確認できます。
※「1.618」はフィボナッチ数列のある数字をその1つ左の数字で割った値が、ある数字が大きいほど1.618に近づくというもの
絵画で有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」や、自然界のオウム貝や花などはこの黄金比になっていることで有名です。
他に「0.618」「0.382」と「1.618」はフィボナッチ比率と呼ばれ、自然界や人間にとって、最も安心する、視覚的に美しく見える数値として広く知られています。
※「0.618」はフィボナッチ数列のある数字をその1つ右の数字で割った値が、ある数字が大きいほど0.618に近づくというもの
※「0.382」はフィボナッチ数列のある数字をその2つ右の数字で割った値が、ある数字が大きいほど0.382に近づくというもの
「最も安心する」というフィボナッチ比率が、FXという人間心理の渦巻く相場でも有用で、0.382や0.618を指標として価格の転換点になることが多いです。
フィボナッチ係数としてXMTradingではフィボナッチ数列に関する様々なオブジェクトが用意されており、フィボナッチリトレースメントが有名です。
フィボナッチリトレースメントは水平線、つまり価格に複数の線を引き、その線を超える超えないで相場の転換点を推測していくオブジェクトになりますが、フィボナッチエクスパンションは高値、安値とさらに次の価格変動した値も加えたものになります。この変動直後の押し・戻しを含めたもので、売買や決算のシグナルを推測するのに役立つオブジェクトになります。
フィボナッチエクスパンションの表示・描写方法
MT4・MT5どちらも似たような方法で表示が可能です。
MT5では「挿入(I)」「オブジェクト」「フィボナッチ係数」「フィボナッチエクスパンション」
MT4では「挿入(I)」「フィボナッチ(F)」「エクスパンション(E)」
で表示が可能です。
上記の操作を行うと、チャート上でマウスカーソルが「≡」に「/」がかぶさったような形になります。
次に描写方法ですが、MT4とMT5で描写方法が異なります。
MT4での描写方法
上昇トレンドの場合、まずは直近の最安値から次の最高値をドラッグアンドドロップします。すると最高値から最安値の直線の他に、もう1つの線がつながって描写されます。
3つ目の点を次の安値にセットします。
下降トレンドの場合、まずは直近の最高値から次の最安値をドラッグアンドドロップします。すると最安値から最高値の直線の他に、もう1つの線がつながって描写されます。
3つ目の点を次の高値にセットします。
MT5での描写方法
MT5もMT4と同様に直近の最高値と最安値に線を引くのですが、2点をクリックするまで線の描写がされませんのでご注意ください。
具体的な以下のような流れです。
- 最高値(最安値)をクリック(ここでは線も点も見えません)
- 最安値(最高値)をクリック
- ここで初めて1と2で選択した値を結んだ線が描写される
- 2の点からさらに次の高値(安値)に向けてドラッグアンドドロップする
注意点として、MT4のようにドラッグアンドドロップしても2点を結ぶ直線は描写されませんのでご注意ください。
1と2のように2点をクリックして初めて、直線が描写されます。
ロウソク足のヒゲを含めるかどうかはトレーダーの取引スタイルによりますが、僕はヒゲをある程度加味して描写しています。
【補足】オブジェクトをライン等バーに表示させる方法
MT4・MT5上部に「ライン等」(MT5)、「ライン」(MT4)のバーを表示させている場合は、こちらに任意のオブジェクトを表示させることができます。
当該バーで右クリックし、「カスタマイズ」をクリックします。
「利用可能なボタン」(MT5)、「非表示」(MT4)にあるオブジェクトが追加可能なボタンになるので、お好みに応じてセットしてみてください。
フィボナッチエクスパンションの基本的な使い方
今回は例として上記のような描写を行いました。
価格が上昇トレンドにて、フィボナッチエクスパンションを描写しました。
黄色い水平線と、白と赤の点で描写された線がMT4・MT5で描写されるラインです(今回は分かりやすくラインを別途強調して記載しています)。
線の描写方法はフィボナッチリトレースメントと似ています。
他のフィボナッチ係数を利用しているオブジェクトと同様にフィボナッチ数列を使った数値である「61.8」「161.8」、MT4・MT5では描写されていませんが「261.8」などを相場の転換点の可能性があるとして、売買や決済のタイミングのポイントとして利用することが多いです。
また、フィボナッチリトレースメントと併用することで、フィボナッチリトレースメントとフィボナッチエクスパンションの水平線が重なる部分が生まれることがあります。
2つのオブジェクトの水平線の重なりは、より顕著な転換点となりうる可能性があるので注視したい場面とも言えます。
なお、フィボナッチエクスパンションはあくまで自身で範囲など描写しているため、過度の信用もできません。
チャートのロウソク足のヒゲを加味するかによってもズレがありますし、必ずしも反発する確証もありません。
自分の思うような描写ができるよう、試行回数を重ねてみることがよいかと思います。
MT4での設定方法
チャート画面上で右クリックし、「表示中のライン等」をクリックすると現在表示しているオブジェクトの一覧が表示されますので、該当オブジェクトを選択後に「編集」をクリックすると設定変更画面に移ります。
全般
①名前:ブジェクトに名前を付けます。名前はオブジェクトにカーソルが乗ったときやプロパティ画面などで確認ができます。
②説明:「表示中のライン等リスト」などの説明で記載内容を確認できます。
③スタイル:始点から終点で描写される直線とそれと平行なトレンドラインを描写する直線の色・種類・太さを変更することができます。
④背景として表示:チャートの足の後ろに表示させることが出来ます。
フィボナッチ・レベル
フィボナッチエクスパンションに新たな線を追加・削除することができます。線の色・種類・太さ・場所も変更することが可能です。なお残念ながら、各線ごとの色の変更、塗りつぶしはできません。デフォルトでフィボナッチエクスパンションに必要な線は描写されているので、基本的には線の追加・削除は不要かもしれません。なお「デフォルト」を押すと初期状態に戻ります。
パラメーター
①時間(上):始点の位置、パラメータを設定できます。
②時間(中):終点の位置、パラメータを設定できます。
③時間(下):終点の次の高値(安値)の位置、パラメータを設定できます。
④ラインを延長:水平線を右側に無限(未来)に描写します。チェックがない場合はある程度の描写で終わります。なおMT5と異なり、左側にラインを延長することはできません。
表示選択
線の表示を設定します。
MT5での設定方法
チャート画面上で右クリックし、「オブジェクトリスト」をクリックすると現在表示しているオブジェクトの一覧が表示されますので、該当オブジェクトを選択後に「プロパティ」をクリックすると設定変更画面に移ります。
共有
①名前:オブジェクトに名前を付けます。名前はオブジェクトにカーソルが乗ったときやプロパティ画面などで確認ができます。
②説明:オブジェクトリストなどの詳細で記載内容を確認できます。
③スタイル:始点から終点で描写される直線とそれと平行なトレンドラインを描写する直線の色・種類・太さを変更することができます。
④オブジェクトを背景として表示:フィボナッチエクスパンションをチャート足の後ろに表示させます。
⑤選択を無効化:これにチェックを入れるとチャート上での期間の変更などフィボナッチエクスパンションの操作ができなくなります。設定しなおす場合は、チャート上で右クリックし「オブジェクトリスト(b)」からなど、再度設定画面を開いてチェックを外す必要があります。
レベル
フィボナッチエクスパンションに新たな線を追加・削除することができます。線の色・種類・太さ・場所も変更することが可能です。なお残念ながら、各線ごとの色の変更、塗りつぶしはできません。デフォルトでフィボナッチエクスパンションに必要な線は描写されているので、基本的には線の追加・削除は不要かもしれません。なお「デフォルト」を押すと初期状態に戻ります。
パラメータ
①日付(上):始点の位置、パラメータを設定できます。
②日付(中):終点の位置、パラメータを設定できます。
③日付(下):終点の次の高値(安値)の位置、パラメータを設定できます。
④右に延長:水平線を右側に無限(未来)に描写します。チェックがない場合はある程度の描写で終わります。
⑤左に延長:水平線を左側(過去)に無限に描写します。チェックがない場合はある程度の描写で終わります。
表示選択
線の表示を設定します。